
銘柄を決めるにはどうしたらいいの?
選びきれなくて困っています!
かと言って適当には決められないし…
今や東京証券取引所(東証)に上場している会社は約4000社。
これらの中から投資対象となるものを絞り切ることは、初心者にとって不可能に近いです。
まして、仕事をしている人は1社1社細かく調べている時間もありません。
そんなあなたに朗報!
本記事を読むことで、途方もなく銘柄を探していたものが嘘みたいに見つけやすくなります。
また、根拠を持って銘柄を選ぶことができるため、投資の成績も上がりやすくなります。
ぜひ最後まで読み銘柄選定の参考にしてみてください。
株式投資の銘柄選定をする前にやるべきこと

株式投資の銘柄選定を行う前に、まずは自分の投資スタイルを確立させましょう。
投資スタイルを確立させるためには、以下のことを考える必要があります。
- 株式投資をする目的
- 取引のスパン
- リスク許容度
これらを考え投資スタイルを確立させなければ一向に銘柄を選定することはできません。
かつ投資の成績も悪いままです。
逆に、確立させれば銘柄をある程度絞り込むことができますから、銘柄選定を行う前に確立させておいてください。
1.株式投資をする目的を考える
あなたが株式投資をする目的は何ですか?
値上がり益を得るため?それとも、不労所得を得るため?
株式投資は目的によって選ぶべき銘柄も異なってきます。
というのも、株価が上昇を続けている銘柄、上下の幅が一定の銘柄が存在しているためです。
前者の銘柄は値上がり益を得たい人に向いていますし、後者の銘柄はインカムゲイン(不労所得)を得たい人に向いています。
そのため、何を目的とするかハッキリさせておきましょう。
2.取引のスパンを考える
あなたはどのくらいの頻度で取引をしたいですか?
短期間で効率よく利益を手に入れたい?それとも、ゆっくりと着実に利益を伸ばしていきたい?
スパンに関しても銘柄によって値動きに大きく差があります。
1日や1週間の短いスパンで大きく上昇している銘柄、1ヶ月や1年間などの長いスパンでゆっくりと上昇している銘柄が存在しています。
前者は短期間の取引に向いていますし、後者は中長期間の取引に向いているわけです。
以上のように特徴が異なるため、取引のスパンも考えておきましょう。
3.リスク許容度を考える
株式投資をやるからには少なからずリスクを伴いますが、あなたはどの程度のリスクを受け入れられますか?
リスクを背負ってでも大きなリターンを得たい?それとも、リターンは少なくてもいいからリスクは抑えたい?
株式投資では、値動きが激しい銘柄とそうでない銘柄が存在しています。
値動きが激しければそれだけ大きな利益を得ることができるわけです。
逆に、値動きが緩やかであれば投資の判断がつきやすく、かつ利益も着実に得やすいのです。
ですので、自分がどの程度のリスクを受け入れられるかも考えておきましょう。
【タイプ別】株式投資の銘柄選定方法

自分の投資スタイルを確立させたところで、本格的な銘柄選定方法に移ります。
「投資目的・取引スパン・リスク許容度」を組み合わせると、次のような6つのタイプに分けられるかと思います。
自分がどのタイプに当てはまるかを考えた上で、それぞれのタイプにおける銘柄選定方法を紹介していきます。
【株式投資初心者向け】
株式投資初心者は、自分にとって身近な、あるいは興味のある分野の銘柄を選んでみましょう。
例えば、マクドナルドのハンバーガーをよく食べるなら「日本マクドナルドホールディングス(2702)」といった具合です。
以上のような銘柄は「事業内容分かりやすい」「日常的に情報収集がしやすい」「業績の予想がつきやすい」というメリットがあります。
また、仕事に関連した分野であれば業務上少なくとも知識は入ってきますから、あらかじめ他の投資家と差をつけた状態で取引ができますよ!
【短期スパンでのキャピタルゲイン重視向け】
短期スパンでキャピタルゲインを重視する場合は、テクニカル指標やチャートパターンを用いて銘柄を選定しましょう。
1時間や1日、1週間などの短いスパンでは会社の業績は株価にあまり反映されません。
業績よりもテクニカル指標やチャートパターンが意識されやすいのです。
そのため、テクニカル指標やチャートパターンで”買い”と判断できる銘柄に投資すると良いです。
ダブルボトム | 2度の安値がほぼ同じ水準で跳ね返る形状をしているチャートパターン。山同士を結んだ線を上抜けると上昇トレンドに切り替わる。 | ![]() |
三川・逆三尊 | 三川とは、3度の安値がほぼ同じ水準で跳ね返る形状をしているチャートパターン。逆三尊とは、3つの谷のうち2つ目の谷が最も深く、3つ目が下抜けないまま跳ね返る形状をしているチャートパターン。ダブルボトム同様、山同士を結んだ線を上抜けると上昇トレンドに切り替わる。 | ![]() |
ダイヤモンドフォーメーション | 中心部ほど値幅が大きく、両端ほど値幅が小さい”ひし形”のような形状をしているチャートパターン。下降トレンドが続いた後に観測されると反発して上昇トレンドへと転換しやすい。 | ![]() |
カップウィズハンドル | 取っ手付きのティーカップのような形状をしているチャートパターン。直近の高値を更新すると株価が大きく上昇しやすい。 | ![]() |
ソーサーウィズハンドル | ソーサーとはお皿のことで値幅は小さいものの長期間下降後に上昇しているチャートパターン。カップウィズハンドルよりもさらに株価が大きく上昇しやすい。 | ![]() |
下降ウェッジ | ウェッジとは楔(くさび)のように角度のある細い三角形の形状をしているチャートパターン。下降ウェッジとはその名の通り下を向いているウェッジのこと。三角形の上辺を抜けると大きく上昇しやすい。 | ![]() |
ゴールデンクロス | 短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から上に抜けたときのチャートパターン。上昇トレンドへと転換し、長らくそのトレンドが続くことを示している。 | ![]() |
トレンドライン | 過去の株価の下値同士や上値同士で結んだ線のこと。上向きなら上昇トレンド中、下向きなら下降トレンド中を示している。そのトレンドライン上に株価が近づくと反発しやすく、抜けるとトレンドの終了を意味する。 | ![]() |
パーフェクトオーダー | 短期・中期・長期の3つの移動平均線が上から順に並んでいる状態のこと。強いトレンドを示す。短期の移動平均線に近づいたら買い、大きく離れたら売りを繰り返すことで、長期に渡り利益を伸ばすことができる。 | ![]() |
上記のテクニカル指標やチャートパターンが見られる銘柄を積極的に選んでいきましょう。
ただ、1つのテクニカル指標だけを見て判断するのではなく、いくつかの指標が見られる銘柄を選ぶと勝率は高くなりますよ!
【中長期スパンでのキャピタルゲイン重視向け】
中長期スパンでキャピタルゲインを重視する場合は株価指標を用いて選びましょう。
というのも、中長期スパンでは企業の価値が意識されやすいためです。
株価についても企業の価値に見合った価格に収れんしていく傾向があります。
そのため、株価指標を用いて今の株価が企業の価値に見合っていない銘柄を選ぶと良いですよ!
売上高 | 会社が商品やサービスを提供することにより得た金額の総額。数字だけ見れば純粋に会社がどのくらい儲けているかを判断できる。ただ、過去の売上高や競合他社との比較も大切。今期の売上高だけを見て多く儲けていると思っても、過去と比較して下がっていたり、競合他社と比較して低い可能性もある。 |
営業利益 | 売上高から人件費などの費用を差し引いたもの。営業利益を見ることで本当の稼ぐ力を知ることができる。というのも、たとえ売上高が多くても人件費等にたくさん費やしていては最終的に会社に残る金額は少なくなるため。また、売上高が同じでも営業利益の方が高い方が投資先としては魅力的になる。 |
売上高営業利益率 | 売上高のうち、どのくらいの営業利益を得ているか割合で示したもの。この数字が高ければ高いほど、あまり費用をかけずに稼いでいることになる。すなわち、効率よく稼いでいるというわけ。 |
一株益(EPS) | 税金を含むすべての費用を差し引いて最終的に残った利益(当期純利益)を発行済みの株式数で割ったもの。すなわち、この会社の株を1株分持っていれば、その一株益(EPS)分稼いでくれるというわけ。次に説明してあるPERと関連して、仮に一株益(EPS)が変わらないとすると、PERの年数分株を保有しておけば、投資した金額分稼いでくれたことになる。すなわち、年数が短い(PERが低い)ほど良いということになる。 |
PER(株価÷EPS) | 株価が一株益(EPS)の何倍かを示したもの。また、一株益が変わらないと仮定した場合の株価分利益獲得年数も表している。株式全体では15倍が平均。それよりも低いと”割安”、逆に高いと”割高”と呼ばれている。ただ、低いと必ずしも良いというわけではない。業界によって変動するし、将来性がないがために利益が伸びず低くなっている可能性もある。 |
PSR(時価総額÷売上高) | 値が1倍よりも大きいと時価総額のほうが売上高よりも大きく、1倍よりも小さいと売上高のほうが大きいことを示している。1倍よりも小さいとはすなわち、市場での会社の価格よりも多く稼いでくれるというわけ。市場の評価が売上高に追いついておらず、”割安”を意味する。 |
PBR(時価総額÷純資産) | 値が1倍よりも大きいと時価総額のほうが純資産よりも大きく、1倍よりも小さいと純資産のほうが大きいことを示している。純資産のほうが大きいとは、株を買ったときの価格よりも会社が解散したときに投資家に分け与えられる金額(純資産)のほうが大きいということ。つまり、株を購入した時点で得をしていることになり、”割安”を意味する。 |
自己資本比率(純資産÷総資産) | 会社が所有している総資産のうち、返済する必要のない資産(純資産)の割合を示したもの。値が低ければ多く借金をしていることになる。倒産しやすさや、しにくさを判断できる。ただ、低ければ必ずしも悪いわけではなく、今後の発展を見込み一時的に借金をしているだけの可能性もある。逆に、高ければ高いほど安全ではあるが、借金、すなわち成長のための投資をしていないことになるため、成長が途絶える可能性がある。 |
株価指標についても1つの指標にのみ着目するのではなく、総合的に判断することが大切です。
また、今後の成長が見込まれる銘柄でもすでに株価にその成長性が反映済みの場合もあるため注意をしておきましょう。
【インカムゲイン重視向け】
インカムゲインを重視する場合、各種ランキングから選定するのがおすすめ!
- 配当利回りの高さで選ぶ
→https://minkabu.jp/financial_item_ranking/dividend_yield - 連続増配年数ランキングから選ぶ
→https://diamond.jp/zai/articles/-/229803 - 優待利回りの高さで選ぶ
→https://minkabu.jp/yutai/yutai_ranking - 優待の内容で選ぶ
→https://minkabu.jp/yutai
ランキングの上位にあればあるほどインカムゲインの多さとしては多いです。
注意点として、今後も同等かそれ以上のインカムゲインを得られることが確立されているわけではありません。
【リスク許容度が大きい人向け】
リスクを大きく受け入れられる場合、テーマ株から探すことをおすすめします。
テーマ株とは、社会の中で注目されているテーマやトレンドに関連する事業を行っている企業をまとめたもののこと。
近年では以下のテーマが注目されています。
- 人工知能(AI)
- サイバーセキュリティ
- 半導体
- IoT
これらのテーマに沿った銘柄を取引すれば、短期間で大きな利益を獲得できる可能性があります。
というのも、投資家の間で非常に注目されているため、取引量が多くなり株価の値動きも激しくなるためです。
テーマ株で銘柄選定することのデメリットは、ブームが過ぎ去れば大きく株価が下落してしまう可能性があることですね。
【リスク許容度が小さい人向け】
リスクをそんなに受け入れられない場合は以下の項目から選ぶことをおすすめします
- 市場区分から選ぶ(プライム市場)
- 業種から選ぶ(通信・電気・ガス・食品・交通・ヘルスケア)
- 業種別の時価総額ランキングから選ぶ
上記3つを組み合わせた銘柄であれば、かなり安定した運用が可能です。
というのも、プライム市場に上場している銘柄は厳しい審査を突破した銘柄のみが選ばれるため。
その審査内容は以下の通りです。
株主数 | 800人以上 |
流通株式数 | 20,000単位以上 |
流通株式時価総額 | 100億円以上 |
売買代金 | 時価総額250億円以上 |
流通株式比率 | 35%以上 |
収益基盤 | 最近2年間の利益合計が25億円以上 売上高100億円以上かつ時価総額1,000億円以上 |
財政状態 | 純資産額50億円以上 |
全ての条件を満たすにはなかなかのハードさのため、短期間で倒産してしまう確率はかなり低くなっています。
また、生活インフラ系はなくては生活に支障をきたすものであるため、よほどのことがない限り暴落は発生しません。
さらに、時価総額が大きければ、それだけ多くの投資家から注目されていることになります。
「注目されている」ということは、「今後も成長してくれる」と投資家が思っているということ。
すでに業界トップであれば他社がトップに躍り出ることは難しく、今後もトップであり続ける可能性は高いのです。
以上、3つの項目を組み合わせることで安定的で着実に利益を伸ばしてくれる銘柄に出会えますよ!
- 日本電信電話【9432】
- 関西電力【9503】
- 花王【4452】
- 東洋水産【2875】
- 東日本旅客鉄道【9020】
銘柄選定におすすめの機能・ツール・サイト

手作業で銘柄を選定するとなると、どうしても手間や時間がかかります。
そんなときに役立つものは以下の通りです。
上記のものを使用すれば効率よく銘柄選定が可能になります。
実際に私も利用していますよ!
どうしても銘柄を選びきれない場合

「どんなに探しても良い銘柄が見つからない…」
そんな時は以下のことを心掛けることがとても重要です。
それぞれ説明していきます。
投資信託を購入してみる
どうしても銘柄を選定できないときは投資信託を購入してみるのも1つの手です。
投資信託とは、簡単に言えばさまざまな企業をひとまとめにしたもの。
色々な企業の株を購入するとなると結構なお金がかかりますよね。
しかし、投資信託であればたったの100円から購入が可能です。
また、さまざまな分散させて投資していることになりますから、リスクが勝手に抑えられているのも特徴的!
- eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)
- eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)
- 日経平均高配当利回り株ファンド
投資時期を見送る
全くもって銘柄を決めきれない場合はムリに投資する必要はありません。
ムリに投資してしまって株価が下落すれば本末転倒ですからね。
ムリにせず自分の納得のいく銘柄にだけ投資するようにしてください。
納得がいかなければガンガン見送ってください。
株式投資の銘柄選定において大切なこと

大切なことは「自分でしっかり根拠を持って銘柄を決めること」
なんとなくで株を購入するのはやめてください。
また、有名なあの人が言ってたからという理由だけで購入するのもやめてください。
上記のことをしていれば勝つための再現性が分からず、いつになっても勝てない投資家となります。
根拠を持って銘柄を選定すれば、もしうまくいかなかった場合でもその原因が特定しやすくなるんですよね。
次回からその原因を避けることで徐々に勝ちパターンが見え、勝てる投資家となっていきます。
「〇〇だから△△に投資する」とちゃんと言い切れる銘柄に投資するようにしましょう。
まとめ:銘柄選定は自分の投資スタイルを確立させることから始まる

さて、本記事では、株式投資における銘柄選定のポイントについてタイプ別に説明していきました!
改めて本記事の内容を確認しておきましょう。
- 投資スタイルを確立させるためには、
「株式投資をする目的を考える」
「取引のスパンを考える」
「リスク許容度を考える」 - 株式投資初心者
→自分にとって身近な興味のある分野から選定 - 短期スパンでのキャピタルゲイン重視
→テクニカル指標やチャートパターンを用いて選定 - 中長期スパンでのキャピタルゲイン重視
→株価指標を用いて選定 - インカムゲイン重視
→ランキングから選定 - リスク許容度が大きい
→テーマ株から選定 - リスク許容度が小さい
→プライム市場、生活インフラ、時価総額から選定
銘柄選定のまず一歩目となるのは自分の投資スタイルを確立させることです。
そうするだけでも銘柄を決めやすくなります。
一方、この投資スタイルの部分を曖昧にやっていてはいつまで経っても銘柄が決められず勝てない投資家のままです。
ですからまずは自分の投資スタイルを確立させるところから始めてみてください。
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