プログラミング初学者やAIに少なくとも触れている人であれば「Python」という言葉をよく耳にすると思います。
特に、投資におけるデータ分析やAI（人工知能）の分野では、Pythonが”最も使われている言語”といっても過言ではありません。
ではなぜよく使われているのでしょうか。
本記事ではPythonの基本的な特徴と、投資やAI分野で注目される理由を初心者向けにわかりやすく解説していきます！
ぜひ最後までご覧ください。
そもそもPythonとは
Pythonとは、JavaやC++などのプログラミング言語の一種です。
1991年にオランダ人のグイド・ヴァンロッサム氏によって開発されました。
他のプログラミング言語と比較するとシンプルな文法のため、初心者にとって非常に学びやすい人気のプログラミング言語となっています。
Pythonの特徴と人気の理由
Pythonとしては以下の特徴があります。
- 理解しやすいシンプルな文法である
- 幅広い用途に対応している
- ツールが豊富にそろっている
- 誰でも自由に利用可能
- 世界中で人気が高い
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①理解しやすいシンプルな文法
先ほども述べたように、Pythonは文法がシンプルで理解しやすいです。
例えば、Pythonで「Hello, World!」という文字を表示させる場合は以下のような記述になります。
print("Hello, World!")たったこれだけで表示させることが可能なのです。
しかし、他の言語（例えばJava）であれば以下のような記述になります。
public class HelloWorld {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello, World!");
}
}このように、他の言語の場合は複数行記述する必要があります。
他の言語とは異なり、シンプルかつ理解しやすい文法なのがPythonの特徴の1つです。
また、中学や高校の最低限の英語を学んでいれば、コードの意味がある程度理解できる点も特徴の1つですね。
②幅広い用途に対応している
Pythonは以下のような幅広い用途にも対応しています。
- Web開発
- データ分析
- 機械学習
- AI
- 自動化スクリプト
- ゲーム開発など
これだけ多くの分野で利用されていることもあり、汎用性の高い言語でもあります。
転職にも有利な言語であるため、学んでおいて損はありません。
③ツールが豊富にそろっている
Pythonはツール（よく使用する処理をひとまとめにしたもの）が豊富にそろっています。
例えば以下のようなものが該当します。
- NumPy：数値計算を効率的に行うためのツール
- Pandas：データの読み込みや抽出を行うためのツール
- Matplotlib：グラフを描画するためのツール
- PyTorch：機械学習を行うためのツール
上記のようなツールがそろっていることでゼロからコードを書く必要がなくなり、たった数行のコードで目的の処理を実現させることができます。
このように、開発スピードが段違いに早くなる点が特徴の1つです。
④誰でも自由に利用可能
Pythonのプログラム自体はもちろん無料ですし、先ほどのツールを利用するのも無料です。
また、Pythonを使って開発したソフトウェアなども自由に販売することもできます。
他の言語では無償版と有償版にわかれていたり、制限がある場合もあるため、その点Pythonは優れています。
⑤世界中で人気が高い
Pythonは2025年6月時点で1番人気が高い言語となっています。
ちなみに2024年度も1番でした。
このように、Pythonは世界中から愛されている言語なのです。
ここ最近でAIの進化が著しくなったことも起因していますね。
なぜPythonが投資やAIに強いのか
今やPythonは投資におけるデータ分析の分野や、AIの分野によく利用されています。
それは、Pythonが投資やAIにとって非常に便利な言語だからです。
便利な理由としては以下の通りになります。
- AIの構築に必要なツールが豊富にそろっている
- グラフを描画しやすい
- 株価データを容易に取得できる
それぞれ説明していきますね。
①AIの構築に必要なツールが豊富にそろっている
昨今のAIの多くがPythonで作られています。
AIというのは大量の数値データを加工したり計算したりするわけです。
そして、大量のデータからパターンを学習し、そのパターンに適合するかどうかを判断する仕組みが必要になります。
Pythonであれば、それらを容易に行えるツールが豊富にそろっているわけなんですよね。
だからこそAIと非常に相性がいいのです。
②グラフを描画しやすい
投資の世界では、株価チャートが切っても切り離せない存在でしょう。
しかし実際には他の銘柄とチャートを比較したり、特定の期間のチャートを比較するのは手間がかかるのが現状です。
Pythonを使用することでグラフを自由に描画できるツールが用意されていますから、数行記述するだけで数秒でグラフを描画できますし、比較もしやすいんですよね。
だからこそ非常に便利なのです。
③株価データを容易に取得できる
Pythonには「yfinance」というツールが用意されています。
「yahoo! finance」の非公式のツールではあるものの、始値や終値などの株価データ、売上高や営業利益などの財務データをたった数行で取得できます。
csv等に出力することもできるため、投資家にとっては非常にありがたいツールとなっていますね。
Pythonでできること｜投資・AIの実例紹介
実際にPythonを使って何ができるのでしょうか。
私の実例を交えてご紹介いたします。
銘柄ごとの値動きをグラフ化
先ほども述べたように、Pythonにはグラフを容易に描画できるツールがあります。
実際に株価の値動きをグラフ化したものが以下の通りです。※グラフのタイトルや軸の名称は自由に決めることができます。
銘柄のトレンドをつかむのはもちろんのこと、作成したチャートの画像をAIで分類してもらったりすることも可能です。
グラフ化するだけでなく、いろいろなことに応用がきくわけです。
株価を予測
Pythonを用いれば、株価を予測するAIを作ることもできます。
私自身もそのAIを作ってみました。
的中率を高めればAIだけで取引することも可能ですし、何より自分の投資判断に役立つんですよね。
Pythonを学ぶメリット３選
Pythonを学ぶことで様々なメリットが得られます。
単なる一例にすぎませんが、具体的には以下のようなメリットがあります。
- オリジナルのAIを作ることができる
- 業務の効率化が図れる
- 就職や転職での需要が高い
それぞれ解説していきますね。
①オリジナルのAIを作ることができる
世の中に出回っているAIは、すでに完成したAIです。
そのようなAIを利用するにあたり、「ここもうちょっとこうしたらいいのに」や「こんなことできないかな」と思ったことはありませんか？
Pythonを学べば、自分独自のAIを作ることができるのです。
実際にPythonを学ぶことで「3ヶ月で株価50%以上上昇する銘柄を特定するAI」というAIを作ることができました。
実際に投資の場でも活用しており、利益も得られました。
また、自分で作ったAIを販売するというビジネスにもつなげられるのでおすすめです。
②業務の効率化が図れる
PythonはPC上における、あらゆることを自動化することができます。
- Webサイトでの情報収集
- ファイル名の一括変更
- デスクトップ上の画面操作
- ブラウザ上での繰り返し操作など
PC上で人間が手で操作していることはすべて自動化できるといっても過言ではないほど自動化ができます。
実際に私の会社ではパソコン数百台の設定を変更する業務がありますが、Pythonにて自動化することにより、大幅にその時間を短縮できました。
また、テキストファイルの中身から特定の行を抽出しcsvファイルとして吐き出す仕組みも構築しました。
今までは手作業でやっていた部分が自動化され時間が生まれたため、その時間を他のことに充てられるようになったんですよね。
このようにPythonは仕事でも役立ちます。
③就職や転職での需要が高い
最近はAIも発展しており、Pythonは欠かせない存在になってきています。
一方、IT人材が不足しているのも現状です。
需要に対し供給が少ないため、Pythonを学んでいるだけで強い武器になり得るわけです。
就職や転職で有利になるため、学んでおいて損はありません。
Pythonの学び方｜おすすめの学習ステップとツール
Pythonを学ぶには主に以下の3つの方法があります。
- プログラミングスクール
- 書籍
- インターネット
インターネットを用いて基礎的なことを学べば、あとはChatGPTなりに都度聞けばOK！
実際に私はプログラミングスクールの無料プランで学び、そこから後はネットの記事やChatGPTに聞いて学びました。
それでも今ではAIを作れるようになったり、複雑なコードも理解できるようになりました。
無理してまで高い授業料を支払う必要はありません。ただし、転職を目指している人は支払ってもいいかもしれませんが。
Pythonの環境構築｜投資・AIを始める準備
Pythonのコードはどこに記述しどこで実行できるのでしょうか。
環境の構築方法について説明していきます。
Pythonの環境は主に以下の方法で構築できます。
それぞれ説明していきます。
Google Colabを利用
Google Colabとは、Google社が提供している、ブラウザ上でPythonを実行することのできるサービスのことです。
Googleアカウントさえあればすぐに実行が可能なため、インストールしたりする手間がかかりません。
また、高性能なPCがなくてもGPUを使用できる点もメリットです。
Anacondaをインストール
Anacondaとは、アメリカのAnaconda社が提供している、あらかじめ必要なものがセット化されたソフトウェアのことです。
データ分析やAIの開発に必要なツールがすでにそろっているため、別途インストールする必要はありません。
ひとまずPythonでデータ分析やAIを試したい人におすすめです。
Pythonを直接インストール
人によってはAnacondaをインストールすると不要なツールまでインストールされてしまう可能性があります。
しかし、Pythonを直接インストールする場合はPythonのみのインストールになり、ほかのツール等は一切含まれません。
不要なツールはインストールされませんが、必要なツールは都度インストールする手間が発生する点ではデメリットになり得ます。
まずは文法から学んでみたい人におすすめです。
Pythonを動かしてみよう｜初心者向けサンプルコード付き
Pythonがどういったものかを感じてもらうため、以下の手順で実際に動かしてみましょう。
今回はGoogle Colabを用います。
Google ColabにアクセスしGoogleアカウントにログインした後、以下のような画面になるかと思います。
「ファイル」タブの「ドライブの新しいノートブック」をクリックします。
以下のような画面に遷移するかと思います。
上記画面にて以下のコードを入力してみてください。
print("Hello, World!")入力後、右矢印ボタンもしくはCtrl＋Enterキーを同時に押すことで記述したコードが実行されます。
実行すると「Hello, World!」という文字が表示されたかと思います。
printは”（ダブルクォーテーション）で囲った中の文字が表示される関数です。
“（ダブルクォーテーション）の中身を好きな文字に変更すれば、その文字が表示されるのでぜひ試してみてください。
また、以下のようにprintの中身は文字でなくとも数値の計算にも使えます。
以下のコードを入力してみてください。
print(1 + 2)
実行すると3という数字が表示されたかと思います。
このように、print関数は計算も容易に行えます。
Pythonにはまだまだたくさんのコードがあるため、ぜひ学んでみてください。
まとめ：Pythonとは投資やAIに有効的な言語である！
さて、本記事では、Pythonとは何なのかについて詳しく解説していきました！
以下、まとめになります。
- Pythonとはプログラミング言語の一種でデータ分析やAIに盛んに使用されている言語である
- 理解しやすいシンプルな文法のため、初心者にとって学びやすい言語である
- Pythonは投資やAIに非常に強い言語である
- Pythonを使えばチャートを作成できたり株価を予測できたりする
- Pythonを学ぶことでオリジナルのAIを作ることができ、就職や転職での需要も高い
- Pythonを学ぶにはプログラミングスクールに通ったり、書籍から学ぶことができる
このように、Pythonは魅力がたっぷり詰まっている言語です。
AIの作成や投資の手助けになること、間違いありません。
Pythonに少しでも興味があるのであれば、今すぐに学んでみることをおすすめします。
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