
最近「新NISA」という言葉を周りからよく聞きます。
でもその言葉の意味が分からないので話についていけません…
新NISAって一体何なのですか!
わかりやすく一から教えてください!
このように悩めるあなたに向け、新NISAとは一体何なのかについて長年愛用している「とうシカ」が一から徹底解説していきます!
結論から言いますが、新NISAとは、本来であれば投資で得た利益に対してかかるはずの税金がかからなくなる制度のことです。
投資家であれば必ず利用しておきたい制度なので、本記事を最後まで読み新NISAをふんだんに活用してください。
- そもそものNISAについて
- 新NISAの前のNISAについて
- 新NISAについて
- 新NISAのメリットとデメリット
- 新NISAは利用すべきか否か
- 新NISAの始め方
- 新NISAの気を付けるべきポイント
- 新NISAの気になる疑問点
そもそもNISAとは

NISAとは「Nippon Individual Saving Account(日本個人貯蓄口座)」の略であり、イギリスのISAをモデルとした日本版のISAになります。
ISAとは、1999年にイギリスにて個人の貯蓄や投資を促す目的で導入された税制の優遇措置がついた個人貯蓄口座になります。
簡単に言うと、ある一定の投資金額までなら利益に対しての税金がかからなくなる制度になります。
例えば、100万円を投資したとして、その後値上がりして20万円の利益を得たとします。
本来であれば、その20万円に対して税金(20.315%)がかかりますが、NISAを利用すればかからなくなるのです。
前は”新”が付いていない普通のNISAがあった!?

表題の通りで、以前は新NISAではないNISAがありました。
歴史を振り返ってみると、NISA自体は2014年の1月に施行され「一般NISA」と名付けられました。
その後、2016年の4月には「ジュニアNISA」、2018年の1月には「つみたてNISA」という別のNISAも誕生しました。
- 一般NISA:株式投資や投資信託に対して非課税となる制度のこと。他と比べて非課税となる投資額が多いのが特徴。
- つみたてNISA:投資信託を毎月一定の額で積み立てるのに特化したNISA。非課税となる期間が長いことが特徴。
- ジュニアNISA:18歳未満の未成年に向けたNISA。ただし原則として18歳まで払い出しが制限されるのが特徴。
それぞれの違いを表にまとめると、以下のようになります。
一般NISA | つみたてNISA | ジュニアNISA | |
---|---|---|---|
年間非課税投資枠 | 120万円 | 40万円 | 80万円 |
最大非課税投資枠 | 600万円 | 800万円 | 400万円 |
非課税投資期間 | 最長5年 | 最長20年 | 最長5年 |
対象商品 | 株式・投資信託※ | 金融庁が指定する投資信託 | 株式・投資信託※ |
購入方法 | 積立または一括 | 積立のみ | 積立または一括 |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 | 18歳未満 |
- 年間非課税投資枠:NISA制度を利用して買付ができる年間の金額のこと。その金額までの買付金額であれば利益に対する税金はかからない。
- 最大非課税投資枠:年間非課税投資枠と非課税投資期間を最大限活用した場合の非課税となる買付金額のこと。
- 非課税投資期間:非課税となる最大の期間のこと。この期間まで売却したり保有したりする分には税金がかからない。
このように、以前は新NISAとは異なる別のNISAがありました。
2024年度からは以前のNISAの受付は終了したため、新たに申し込むことはできません。
新NISAとは

本題である「新NISA」について解説していきます。
新NISAとは、一般NISA・つみたてNISA・ジュニアNISAの受付期間が終了することに伴い、2024年の1月1日に新たに施行されたものになります。
新たに施行されましたが、ざっくり言えば新NISAの中に以前の「一般NISA」と「つみたてNISA」があるイメージと捉えてもらえれば良いです。
ただ、「一般NISA」「つみたてNISA」よりも金額と期間が増えました。
成長投資枠 | つみたて投資枠 | |
---|---|---|
年間非課税投資枠 | 240万円 | 120万円 |
最大非課税投資枠 | つみたて投資枠と合わせて1800万円 (内数1200万円) | 成長投資枠と合わせて1800万円 |
非課税投資期間 | 無期限 | 無期限 |
対象商品 | 株式・投資信託※ | 金融庁が指定する投資信託 |
購入方法 | 積立または一括 | 積立のみ |
対象年齢 | 18歳以上 | 18歳以上 |
以前のNISAは年ごとに「一般NISA」もしくは「つみたてNISA」のどちらか一方しか利用できませんでしたが、新NISAでは併用が可能となりました。
そのため、合わせて年間360万円までの買付金額であれば利益に税金がかかりません。
また、売却した分は翌年以降に再利用でき、一生涯使えるのも魅力的です。
新NISAのメリット3選・デメリット2選

非常に魅力的な制度である新NISAですが、当然のことながらメリットとデメリットがあります。
- メリット①:利益をまるまる受け取れる
- メリット②:確定申告の必要がない
- メリット③:会社にバレることがない
- デメリット①:損益通算ができない
- デメリット②:対象商品が限られる
ただ、デメリットに関係するのは一部の人だけなので、ほとんどの人はぜひとも利用しておきたい制度です。
メリット①:利益をまるまる受け取れる
新NISAを利用する一番のメリットになります。
投資に関して言うと、通常は得た利益に対して20.315%の税金が課せられます。
しかし、新NISAを利用すればその税金がかからなくなるのです。
要は利益をまるまる受け取れるわけ。
こんなにもお得な制度はなかなかありません。
メリット②:確定申告の必要がない
新NISAでは損失や利益が発生していないことと見なされます。
ですので、投資した100万円が120万円や80万円になったとしても、100万円は100万円のままなのです。
だからこそ確定申告の必要はありません。
非常にめんどくさい確定申告をしなくていいのは非常に良いメリットですね!
メリット③:会社にバレることがない
メリット②でも述べましたが、新NISAでは損益が発生していないことと見なされます。
それはつまり「所得は増えない」ということ。
ですから、所得税や住民税は”会社”で得た所得に対してのみかかります(※他の所得がある場合には当然税金はかかります)
であれば会社にバレるはずがありません。
バレるのが心配で投資ができなかった方も安心して取引ができますよ!
デメリット①:損益通算ができない
何度か述べていますが、新NISAでは損をしたとしても損をしていないことになります。
すなわち「損益通算」ができないわけです。
損失分をその年の利子や配当所得、他の証券会社で得た利益と合算することで利益額を減らし税金を減らすことができるもの。節税対策の一種になります。
この損益通算ができないため、もし新NISA口座で損をした場合にはデメリットになり得ます。
ただ、投資信託であれば頻繁に引き出さないですし、長く続けていればプラスになるのがほとんどですから長期投資家にはあまり関係ありません。
デメリット②:対象商品が限られる
「新NISAとは」の表にも記載がありますが、新NISAで取り扱える商品には限りがあります。
すべての商品で利用できるわけではありません。
ですので、対象外の商品を取り扱いたい場合には不便になり得ます。
ただ、メジャーな商品ばかりなので特に初心者は困りませんね。
新NISAは利用すべき?【結論:利用しない手はありません!】

表題にもありますが、新NISAを利用しない手はありません。
デメリットとなるのはごく一部の人です。
それ以外の方はメリットしかありません。
何度か述べていますが、例えば100万円を投資し20万円の利益を得たとしましょう。
新NISAを利用することで20万円がまるまる得られますが、利用しなければ15万9370円(税率は20.315%)です。
そこには4万630円もの差が生まれます。
4万630円もあれば1ヶ月の食費を賄えるわけ。
このように、利用しないだけで損をしてしまうからこそ、利用しておいたほうが断然お得なのです。
新NISAの始め方を2パターンに分けて紹介!

メリットが分かったところで、新NISAの始め方について以下の2つの場合に分けて解説していきます。
では、それぞれの簡単な流れを紹介していきます。
まだ証券会社の口座を開設していない場合
まだ証券会社の口座を所有していない場合の一般的な流れは以下の通りになります。
- 個人情報の入力
- 新NISAの利用有無
- 本人確認書類の提出(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 証券会社の審査(1~3営業日程度)
- 税務署の審査(1~2週間程度)
- 開設完了
このように、証券会社の口座開設の段階で新NISAの口座も開設する流れになります。
もちろん証券会社の口座開設をした後にも開設できますよ!
すでに証券会社の口座を開設している場合
すでに証券会社の口座を所有している場合、改めて証券会社の口座を開設する必要はないので手順は短くなります。
- 必要書類のアップロード(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 証券会社での書類確認作業(1~3営業日程度)
- 税務署の審査(1~2週間程度)
- 開設完了
手順は短いものの、税務署の審査には時間がかかります。
ただ、仮開設として税務署の審査を待たなくても新NISAを利用できる証券会社も多いです(楽天証券やSBI証券など)
※重複等により新NISA口座が無効になった場合は「一般口座」で買い付けたものとして扱われる場合があります
投資による1年間の損失と利益を自分で計算し、必要な場合は確定申告も自分で行う口座のこと。
新NISAを始めるにあたり気を付けるべき5つのこと

ほぼメリットしかない新NISAですが、始める場合には以下のことに気を付けておきましょう。
では、それぞれ解説していきます。
1.1人1口座のみ開設ができる
新NISAは1人1口座しか開設できません。
ですので「複数の新NISA口座を開設して非課税投資枠を増やす」なんてことはできないわけです。
非課税投資枠は1人あたり最大で年間360万円。
これ以上は増えません。
2.1つの金融機関でしか利用できない
新NISAは1つの金融機関でしか利用できません。
例えば「楽天証券で新NISA口座を開設して、SBI証券でも開設する」なんてことはできないわけです。
ただ「一番最初に開設した金融機関で一生新NISAを利用しないといけない」わけではありません。
後からでも変更は可能です。
ただ、変更したい場合は年ごとになります。
例えば、2024年度は楽天証券、2025年度はSBI証券という感じです。
3.枠を別々の金融機関で利用することはできない
枠(成長投資枠、つみたて投資枠)についても同様に、別々の金融機関で利用できません。
例えば「成長投資枠は楽天証券、つみたて投資枠はSBI証券」という感じにはできないわけです。
あくまでも1つの金融機関の中でのみ利用が可能となります。
4.売却分の枠は同年に再利用できない
売却したからといって”同じ年度内”に売却分の枠を再利用することはできません。
”翌年”にならないと再利用はできません。
例えば100万円分の枠を利用したとします。
その100万円分を売却したとしても、同年では残り140万円しか利用できないわけです。
また、損失を被ったとしても、その損失分の枠は増えません。
逆も然りで、利益を得たとしても、その利益分の枠は利用したことにならないので安心してください。
あくまでも買付金額分の話になります。
5.非課税投資枠を超えた分の利益には税金がかかる
非課税投資枠には上限があるため、その上限を超えた分の買付金額に対する利益には税金がかかってしまいます。
例えば、すでに成長投資枠を240万円分利用しているのに新たに成長投資枠として100万円分を購入したとしましょう。
すると、その100万円分の利益には税金がかかることになるのです。
あくまでも枠内の買付金額における利益に対して非課税とするものなので、注意しておきましょう。
新NISAの気になる3つの疑問点

最後に、新NISAを始めるにあたり気になるであろう3つの疑問点を紹介します。
それが以下のものになります。
- 新NISAはいつ始めればいい?
- 年間非課税投資枠はすべて使用したほうがいい?
- 成長投資枠とつみたて投資枠の使い分けはどうしたらいい?
では、それぞれ潰していきましょう。
1.新NISAはいつ始めればいい?
従来のNISAでは期間が設けられていたため、早ければ早いほど最大非課税投資枠が増えていました。
新NISAでは一生涯利用でき最大非課税投資枠は平等に与えられているため、いつ始めても問題はありません。
ただ、投資に関しては早く始めれば始めるほど恩恵を受けやすくなるため、投資を始めようと思ったその瞬間から新NISAを始めるのが吉!
2.年間非課税投資枠はすべて使用したほうがいい?
無理に使用する必要はありません。
従来のNISAは期限が儲けられていたため、使用しない枠があると損をしていました。
しかし新NISAでは一生涯となったため、使用しない枠があっても損をすることはなくなりました。
ですので、自分のペースかつ無理のない範囲で使用することをおすすめします。
3.成長投資枠とつみたて投資枠の使い分けはどうしたらいい?
投資信託については積立かつ長期で運用するのが利益を得やすいため「つみたて投資枠」をベースに使用するのがおすすめ!
そして枠を超えて投資したい場合は「成長投資枠」を使用するスタンスがいいでしょう。
逆に、投資をある程度分かっており、特定の月に積み立てたい人・頻繁に売買したい人・株式投資をしたい人は「成長投資枠」をベースに使用するのがおすすめです。
まとめ:新NISAは絶対に利用しておこう!

さて、本記事ではNISAの根底の部分を踏まえながら新NISAとは何なのかについて一から徹底解説していきました!
改めて本記事の内容を確認しておきましょう。
このように、新NISAは投資家にとって非常にありがたい制度となっています。
僕に言わせてみれば、新NISAを利用しないのはムダに税金を払っているのと同等です。
投資をする場合は必ず利用しておきましょう。
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